舞台スタッフにおすすめしたい、ケガしたときでも安心な傷害保険

舞台には常に危険が潜んでいる場所です。ひとたび事故が起きれば下手すれば死亡事故にもつながりかねません。
そういう危険な場所でフリーランスで舞台照明の仕事をしていると、気になるのが怪我したときの保険のことです。

会社員であれば仕事中や通勤途中での怪我は労働災害保障(労災)が適用されますが、フリーランスの場合は例え外注で請け負った仕事でも雇用関係は結んでいないため労災は適用されません。
怪我をして入院にかかる費用はすべて健康保険でまかない、怪我で仕事ができない期間は収入がなくなります。

そういった面で、会社員よりも怪我したときのリスクが高いのがフリーランスなのです。

そして、特殊な形状のライトブリッジのあるホールで身体の3分の2を空中に乗り出しているときに、「このままではいけない、何とかしないといざという時に路頭に迷うことになる」と感じて、傷害保険に入ろうと決意しました。

傷害保険はどこで探す?

とは言え、どうやって適した傷害保険を探すか、こういった高所作業を伴う場合に適合する補償はあるのかなどを自分で探すのは一苦労です。そこで、前回フィナンシャルプランナーに医療保険の相談をしたときに一緒に傷害保険についても相談することにしました。
前回のお話:保険のことを詳しく知るためにフィナンシャルプランナーに相談してみた

加入した保険と詳細

現在、個人事業主として舞台照明の仕事に携わっていること、主な仕事内容の詳細、高所作業があることを伝えて検討してもらった結果、富士火災未来スケッチという傷害総合保険を紹介されました。
この未来スケッチという保険は、契約者のライフスタイルに合わせて自由に設計することができる保険です。

補償対象者は、個人型・家族型・夫婦型・本人・親族型の4つの型から選択できます。
くらげは個人型にしました。

基本補償

基本保障は、以下の通りです。

  • 死亡時の保険金
  • ケガにより事故の発生日からその日を含めて180日以内に死亡した場合に、死亡・後遺障害保険金額の全額が支払われます。

  • 後遺障害の保険金
  • ケガにより事故の発生日からその日を含めて180日以内に後遺障害が生じた場合に、[死亡・後遺障害保険金額×保険金支払割合]が支払われます。

  • 入院時の保険金支払い
  • ケガにより入院した場合に、[入院保険金日額×入院日数]が支払われます。

  • 手術時の保険金支払い
  • ケガの治療のため、所定の手術を受けた場合に、次のいずれかの金額が支払われます。(ただし、1事故につき事故の発生の日からその日を含めて180日以内の手術に限る)
    1.入院中に受けた手術の場合:入院保険金日額×10倍=手術保険金の額
    2.1以外の手術の場合:入院保険金日額×5倍=手術保険金の額

  • 通院時の保険金
  • ケガにより通院した場合に[通院保険金日額×通院日数]が支払われます。

  • 傷害医療費用の保険金
  • ケガにより医師の治療を受けた場合に事故の発生日からその日を含めて180日以内の公的医療保険制度を利用した期間に実際に負担した費用を1事故につき障害医療費用保険金額を上限に支払われます。

  • 介護保険金
  • ケガにより事故の発生日からその日を含めて180日以内に重度の後遺障害が生じ、医師の診断により介護が必要と認められる状態になった場合に、事故の発生日からその日を含めて180日目以降の介護を要する期間1年につき介護保険年額が支払われます。

オプション(特約)

さらに、オプションには以下のものがあります。

  • 天災危険補償特約
  • 地震、噴火またはこれらによる津波及びこれらに付随して生じた事故またはこれらに伴う秩序の混乱に基いて生じた事故によりケガをした場合に、基本補償およびこども総合費用特約の保険金が支払われます。

  • 個人賠償責任特約
  • 国内・海外問わず、被保険者が、住宅の所有・使用・管理に起因する偶然な事故や日常生活に起因する偶然な事故により、他人にケガをさせたり、他人の物に損害を与えて、法律上の損害賠償責任を負った場合に、保険金が支払われます。

  • 携行品特約
  • 国内・海外問わず、被保険者が、外出中に携行している身の回り品に損害が発生した場合、携行品1つあたり10万円(乗車券。通貨などは5万円)を限度として再調達価額または修繕費が支払われます。

  • ホールインワン・アルバトロス費用特約
  • アマチュアの資格で行うゴルフ競技中にホールインワンまたはアルバトロスの達成により慣習として支出する贈呈用記念品購入費用、祝賀会費用、ゴルフ場に対する記念植樹費用の実費を、保険額を限度に支払われます。

  • 受託品賠償責任特約
  • 被保険者が国内において他人から受託したものを壊したり、盗まれたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に、保険金が支払われます。

  • 被害事故補償
  • 国内・海外問わず、被保険者が犯罪やひき逃げによるケガをした場合の治療費や損害に対して保険金が支払われます。

  • 被害事故補償特約
  • 国内・海外問わず、被保険者が乗っていた航空機や船舶が遭難した場合や旅先でケガをして14日以上した場合、捜索救助、移送費用などを負担した場合に保険金が支払われます。

  • こども総合費用特約
  • 扶養者が事故により、事故の発生日からその日を含めて180日以内に死亡または重度後遺障害を被った場合、育英費用や学資費用、進学費用などの保険金が支払われます。

基本補償保険料

本人

死亡・後遺障害保険金 500万円
入院保険金額(日額) 3,000万円
通院保険金額 2,000万円
傷害医療費用保険金 50万円
介護保険金 120万円

配偶者

死亡・後遺障害保険金 250万円
入院保険金額(日額) 2,000万円
通院保険金額 1,000万円
傷害医療費用保険金 50万円
介護保険金 120万円

親族

死亡・後遺障害保険金 150万円
入院保険金額(日額) 1,000万円
通院保険金額 50万円
傷害医療費用保険金 50万円
介護保険金 120万円

月々の保険料

個人型 1,850円
家族型 4,200円
夫婦型 2,790円
本人・親族型 3,260円

くらげが付けた特約は天災危険補償特約のみです。よって、月々の保険料は2,350円です。
パソコンを持ち歩くことがあるので携行品特約を付けようとしたのですが、パソコンは対象外でした。ただ、高額なスマフォやタブレット、カメラを持ち歩く場合には付けておいて損はないかと思います。くらげも、山登りや旅行でカメラを持ち歩くし、スマフォはiPhoneなので、そのうちこの携行品特約を追加しようと検討中です。

職業について

仕事の傷害保険として契約するため、気になったのが職業区分です。まず、富士火災で想定している職業区分に舞台照明はありません。そこで、職業はデザイナー、高所作業ありということで富士火災に問い合わせてもらいました。まず、職種区分としては危険業種ではない「A」という判定でした。これが危険業種の「B」になると保険料は数千円高くなります。

また、業務上で器具設置をメインとするか、照明デザインをメインとするかで変わってくるとのことでしたので、くらげはデザイン業務は少ないので、器具設置をメインにしました。結果、職業は電気工事作業者となりました。

AIG損保 けがの保険

ここまで紹介しておいてなんですが、実はこの商品を取り扱っている富士火災は2018年1月1日にAIU保険と合併し、AIG損害保険となりました。AIG損保になってからは、この旧富士火災が取り扱っている『未来スケッチ』も存続されていますが、新たにSIG損保が扱っている保険として補償内容が似ているけがの保険という商品も扱っています。

保険料も多少の変更がありますので、詳しくは保険の相談窓口でご確認ください。

締めくくり

この舞台業界にはフリーランスの技術者が多く存在していますが、今までフリーランスの舞台スタッフの怪我の補償、傷害保険というものについてはほとんど話題に取り上げてこなかったように感じています。この仕事をより長く続けていくためにも、万が一に備えておいたほうが安心して仕事をすることができます。

ぜひ、一度傷害保険について検討してみることをおすすめします。

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