舞台スタッフの仕事をしたい!という人に伝えたいこと

好きなことを仕事にするというのは、誰しもが憧れることだと思います。好きなことで食べていけたら、どれだけ楽しいだろう。きっと毎日が充実した毎日を送れるんじゃないかなんて夢を膨らませている方も多いことでしょう。 

このブログを読んでいる人は、舞台スタッフになりたいという方がほとんどでしょう。芝居やコンサートをつくる裏方の仕事が好きだから、将来は職業として舞台スタッフを目指してくれることはとてもうれしいです。

そういう私も、高校生の時に舞台照明に触れたときからこれを仕事にしたいと考えて進路を決め、途中で紆余曲折はあったけど、それでも20年近く好きな仕事をしています。きっと、将来は舞台照明スタッフになりたいと思っている学生たちにとって憧れの存在なんだろうなと思います。

そんな、裏方が好きで仕事にしたいと思っている人たちに向けて、記事を書いてみました。

好きなことを仕事にするというのは難しい?

好きなことを仕事にするのは、そんなに難しいことではありません。これから進路を決める年代であれば、今はとにかく舞台だけでも多種多様な専門学校と大学の学科があるので、進みたいと思う道のことを学ぶことができます。
また、そういう学校であれば舞台関係の企業への就職を斡旋してくれるので、就職は難しくありません。

高校生の中には、進学しないですぐに舞台の仕事に就きたいという人もいるでしょう。しかし、世の中はまだまだ学歴社会です。高卒で採用してくれる企業もありますが、専門卒や大卒に比べるともらえる給与額はだいぶ低くなります。それに、多くの企業は大学や専門学校卒の募集がほとんどなので、希望する企業に就職できる確率はぐっと下がります。
また、運良く高卒で採用されたとしても、人生は何が起きるかわかりません。なにかのキッカケで別の業種に転職するとき、業種によっては高卒採用の選択肢はないに等しいです。

できる限り大学や専門学校を卒業しておくことをおすすめします。

実際に好きなことを仕事にするというのは、本当に楽しい?

好きなことだけで食べていくというのは、お金をもらって生活をすることです。もらったお金で税金を支払い、一人暮らしであれば家賃を払い、光熱費、食費、通信費、交通費、保険などの支払いはすべてもらったお金だけで賄うことになります。

舞台スタッフなんて、もらえる給料は本当に雀の涙です。雀の涙しかもらえない給料で、生活を賄わなくてはなりません。どれだけ忙しく働いていても、気付けば何年も給料が上がらず、上がってもわずか数千円なんてこともあります。
社員なのに定期代が出ない、残業代が付かない、深夜早朝手当もない会社だってあります。

人間関係による悩みもつきまといます。気難しい人、口の悪い人、性格の悪い人、何かあると人のせいにする人、自慢ばかりする人などなど、合わないなと思う人はどこにでもいます。自社だけでなく、他社との付き合いもあります。
実は仕事の悩みは人間関係の悩みが多数を占めるのではないかと思うくらい、悩みは尽きません。

それに、働く時間は不規則です。深夜早朝に仕事したり、徹夜したりすることもあります。寒いところや暑いところ、高いところでの仕事もあります。一度ツアーに出てしまえば、家に帰ることは一ヶ月先なんてことも。

好きなことを仕事にすることは楽しいです。でも好きなことが仕事になった時点で、嫌なこと、やりたくないこともやらなくてはならなくなります。想像していたのとは違うというギャップに悩まされるかもしれないし、これが果たして自分のやりたかったことなのかと悩むこともあります。

中には好きなことを仕事にしたはずなのに、嫌いになって辞めてしまう人もいるのが現実です。好きなことを嫌いになってしまうのは本当に辛いことです。

好きなことを仕事をする上で大切なこと

決して「だから好きなことを職業にするのはやめろ」と言いたいのではありません。
これから好きなことを仕事にしたいと思っている人や、好きなことを仕事にするために勉強をしている人は、2つの大切なことを覚えてほしいと思います。

好きなことを見つける

その仕事以外の好きなことを見つけてください。好きなことは一つだけじゃなくても構いません。どんなことでもいいので、舞台以外に全然違うジャンルの好きなことを見つけてください。そうすると、今までと違った角度からその仕事を見られるし、気分転換にもなります

わたしの好きなことは、カブでのツーリング、写真、動画撮影、登山、文章を書くこと、ピアノを弾くこと。カブが好き過ぎて小型二輪免許を取ってスーパーカブC125を購入したので、これからもっとツーリングで忙しくなります。ツーリングキャンプもしたいので、少しずつ道具を揃えています。動画撮影がもっとうまくなりたいので、カメラ機材を揃えて、ドローン撮影もしてみたいと思っています。海外だってもっと頻繁に訪れたいと思っています。

どれも全く舞台とは違うジャンルのようだけど、根っこの部分ではつながっていると思っています。舞台という一つのジャンルを好きな状態で木しか見ていなかったところから、森を見られるようになるし、ドローンで森全体を空撮しているような視点で見ることができるようになります。

逃げ道をつくる


それからもう一つ。逃げ道はいくつあってもいいから必ずつくってください。もちろん、辛い先に希望が見えるのであれば、歯を食いしばってでも食い付いていってほしいと思います。

でもその先に絶望しか見えないのであれば、まずそこから逃げ出してください。自分を責めたり、自分にはこの仕事は向いていないんだなんて思わなくても問題ありません。たまたま、その場所に合わなかっただけですから。
安全なところに逃げ出した上で、もう一度次に進むための計画を練り直してください。いわゆる戦略的敗退です。

私も、その先に絶望しか見えなかったので何度も辛いことから逃げてきました。一旦、舞台業界からも逃げたことさえあります。それでも、今まで頑張ってきたのであれば助けてくれる人は必ずいます。
好きなことを仕事にしたからこそ、それが嫌いにならないために他に好きなことと逃げ道をつくることが大切だと思っています。

締めくくり

好きと嫌いは隣り合わせです。好きなことを仕事にしたからこそ、好きな仕事が嫌いになってしまうかも知れません。好きなことを仕事にしたからこそ、苦しいことや辛いことから逃げられなくなってしまうかも知れません。
でも、好きなことはいくつあってもいいのです。好きなことを仕事にしたからこそ、他に好きなことを見つけてほしいと思います。

それに、好きなことを仕事にしたからって精神的に辛かったり、体調に支障をきたすようでしたら、迷わず逃げてください。
これから好きな職業に就こうとしている人は、どうかこの2つを頭に入れておいてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です