舞台スタッフの仕事がしたい人が進むための専門学校と大学【香川・広島・岡山】

全国の舞台技術を学ぶことのできる専門学校や大学から資料を取り寄せて授業内容や就職について紹介するお話の第二段。
今回は香川県と広島県、岡山県です。

四国学園大学

四国学院は、1949年に米国南長老教会宣教師と日本人キリスト者によって、福音主義キリスト教信仰に立つ高等教育機関として設立された歴史のある学校です。
校内にはチャペルがあり、キリスト教にまつわる様々な催しが行われています。
また、「福祉の四学」と呼ばれているとおり、福祉教育にも力を入れており、障害学生の受け入れも積極的に行っています。

目指せる職種

舞台照明を学べるコース 社会学部 カルチュラル・マネジメント学科 身体表現と舞台芸術マネジメント(演劇コース)
舞台音響を学べるコース 社会学部 カルチュラル・マネジメント学科 身体表現と舞台芸術マネジメント(演劇コース)
舞台美術を学べるコース 社会学部 カルチュラル・マネジメント学科 身体表現と舞台芸術マネジメント(演劇コース)
舞台演出を学べるコース 社会学部 カルチュラル・マネジメント学科 身体表現と舞台芸術マネジメント(演劇コース)

カリキュラム

基礎科目

アーツ・マネジメント入門/身体表現の思想と方法・舞台芸術概論/舞台技術基礎

専攻科目

フィールド・プラクティカム Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ/身体表現ワークショップ Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ/舞台技術ワークショップ Ⅰ・Ⅱ/世界の舞台芸術 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/舞台芸術公演 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ/演劇の世界/ダンスの世界/音楽の世界/ライブ・パフォーマンスの世界/映像と演技/演劇創作演習 Ⅰ・Ⅱ/舞台芸術実習 Ⅰ・Ⅱ/パフォーミング・アーツ特論/アーツ・マネジメント実習/教育実践と舞台芸術 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/文化芸術政策と地域創造/文化施設の管理と運営/文化関連法規
四国学院大学では、一週間の前半を通年の基礎訓練や、演劇史など座学の時間とし、週の後半を実技の時間とする独自のカリキュラムを取り入れており、東京から来る講師陣から集中して授業を受講できるシステムになっています。
 この講師陣の中には、名前だけや看板だけの教員は一人もいません。全員が実際に集中講座を持って指導を行います。また、この講師陣の中から、何名かが香川に長期滞在し、毎学期、学生たちと作品を作ります。
講師陣には客員教授として劇作家の平田オリザ氏、鴻上 尚史 映画監督の本広 克行氏、非常勤講師として、劇作家の江本 純氏、美術家のカミイケタクヤ氏、音響デザイナーの児島 塁氏、演出家・東京デスロック主催の多田 淳之介氏、演出家の上村 聡史氏、舞台照明家の岩城 保氏などの演劇界の第一線で活躍する講師陣が名を連ねています。

設備

ノイトスタジオ

2006年に完成したノトス館の1階にあるスタジオです。観客は100名〜300名の収容が可能で、2階には最新鋭の機材が揃った操作実習室が備わっています。コンサート、演劇、講演会などが開催できます。

オープンキャンパス・学園祭

オープンキャンパスの開催は、4月、5月、6月、7月、8月、9月です。内容は大学紹介、モデル授業、キャンパスツアー、保護者対象説明会、個別相談などです。
モデル授業に必ずしも演劇コースの授業が組み込まれるわけではありませんが、演劇体験ワークショップが開催されます。

くらげの目から見た印象

芸術大学と比べると設備は小規模ですが、四国にこういった大学があったのかと驚くような印象です。豪華な講師陣が顔を揃えており、他校に負けず劣らず充実した授業内容です。演劇コースの学生は高校演劇の名門校出身者が多く在籍しています。
キリスト教に接することができる、障害のある学生をサポートしているというのも他の学校にはない特色です。また、学生寮や 通学用の立体駐車場がキャンパス内にあるというのも、この学校ならではです。あと、学生食堂の鳥ぽん唐揚げがおいしそうです。
広いのどかなキャンパスで第一線で活躍する講師から演劇を学びたいという方におすすめです。

学校の詳細

住所 〒765-8585 香川県善通寺市文京町3-2-1
電話番号 0877-62-2111(代)
サイト

学校サイト

広島工業大学専門学校

1984年4月に広島工業大学附属広島情報専門学校という名前で開校した、広島県で唯一の総合専門学校です。当初は情報システム工学科のみでしたが翌年には建築グラフィック学科が開設。さらにその翌年には音響芸術学科と映像メディア学科が開設されました。その後も高い専門性が学べる学科が開設され、学校内での知識や技術・技能の修得だけでなく企業と連携してインターンシップ等の企業実習を実施しています。平成26年3月には文部科学省より7学科すべてが「職業実践専門課程」に認定されました。
また、専門技術だけでなく、全学科で人間力育成教育を実施し、コミュニケーション能力やチャレンジ精神の養成、ボランティア活動などの「生き方講座」を実施しています。

目指せる職種

舞台照明を学べるコース 音響・映像メディア学科 音響分野(2年次)
映像照明を学べるコース 音響・映像メディア学科 映像分野(2年次)
舞台音響を学べるコース 音響・映像メディア学科 音響分野(2年次)
映像音響を学べるコース 音響・映像メディア学科 映像分野(2年次)

カリキュラム

1年次
CG / 映像実習 / コミュニケーション / 音響理論 / 映像理論 / 照明技法 / 音響実習 / 映像実習 / コンピュータ実習 / ビジュアルツール
映像実習 / 音響実習 / 生き方講座 / デジタルサウンド / 色彩学
音響実習 / 文章技術
2年次:音響分野
映像演出 / ステージ照明 / 音響映像資格対策講座 / 音響実習 / イベント企画
DAW / ステージ制作 / 音響理論 / 音響実習 / PA技術
デジタルメディア / ラジオ番組制作 / 生き方講座 / 音響実習 / ラジオ番組制作
2年次:映像分野
映像演出 / ステージ照明 / 音響映像資格対策講座 / 映像実習 / イベント企画
デジタルメディア / ステージ制作 / 映像理論 / 映像実習 / CM制作
DAW / ビデオコンテンツ / 生き方講座 / 映像実習 / ビデオコンテンツ
講師の方は、CG・音響理論、照明技法、PA技法・音響実習、デジタルサウンド、ステージ照明、ステージ制作などの分野の講師が各一名います。いずれも業界で活躍中の方々ばかりです。
7月には1年生・2年生が合同で行う綜合イベント実習、ドリーマーコンサートがあります。出演者は広島を中心に活躍しているアーティストたちで、出演交渉は学生で行います。
ラジオ番組制作では、学生たちがラジオドラマ等の企画・脚本・録音・編集までを行い、RCCなどの放送局で「Radio Jack」という番組を週1回の3ヶ月間放送しています。

設備

デジタル音響卓、LEDライトやビジュアライザーソフト搭載PC、調光卓などが揃っているスタジオ、ミキシング実習室などが備わっています。

オープンキャンパス・学園祭

オープンキャンパスは5月から3月まで毎月開催されています。その中で、7月だけ特別版のオープンキャンパスが開催されます。内容は、コンサート仕込み体験、音響・照明・映像のスタッフ体験などの体験入学だけでなく、カフェテリアスタイルのランチも楽しむことができます。このランチはなんと、セルフで好きなだけ選べるという特別版ならではのランチメニューとなっています。
また、7月15日〜8月25日の間は、遠方からのオープンキャンパス参加者に対して交通費の補助を受けることができます。

くらげの目から見た印象

総合専門学校ということで、土木や建築、電気関係など舞台とはあまり関係のない学科があるというのがおもしろい学校だなと思います。こういった土木建築関係の方とは舞台業界にいるとそうそう知り合うこともないので、在学中に他の学科の学生と交流したら視野も広がりそうです。
特に、電気工学科の学生と仲良くなっておけば、舞台技術にも電気の知識が必要になってくるので困ったときに助けてくれるかもしれません。
カリキュラムに関しては、映像理論や映像実習が含まれていることも、他の音響技術系中心の学校にはない特色となっています。また、1年次で映像を学んで興味を持ちさらに映像を学びたいというときに2年次では舞台ではなく映像の分野に進むことも可能です。
舞台技術においても、映像の技術や知識は切り離すことができないものとなってきています。ここで映像について学んだことはのちに活きてくるはずです。
また、ラジオ番組制作にて実際に収録した番組を放送するというのも、おもしろいなと思います。
ただやはり学校全体が舞台技術系の学校と比べると、舞台設備に関しては少しさびしい印象を受けます。また、音響メインの学校のため照明に関しては理論や実習を含めて物足りない印象を受けました。

学校の詳細

住所 〒733-8533 広島市西区福島町2丁目1ー1
電話番号 0120−331−786(入学に関するお問い合わせ先 平日9時〜17時 / 土曜日9時〜12時)
サイト

学校サイト

広島コンピューター専門学校

「コンピューター」「ゲーム」「デザイン」「サウンド」の4つの分野を軸に全11コースを設置しており、中四国でも最大級のコース数を誇る専門学校です。はじめての分野で不安がある方でも、業界経験のあるプロが基礎からていねいに指導するので安心して学ぶことができます。

舞台照明を学べるコース 音響技術コース 舞台音響を学べるコース 音響技術コース

カリキュラム

1年次
PA実習 / 音響実習 / レコーディング実習 / 音楽編集 / 音楽理論 / 音楽理論 / リスニング / 電子楽器論 / 舞台機構 / 照明技術 / アプリケーション / ビジネス実務 / 職業指導 / 就職研修
2年次
PA実習 / 音響実習 / レコーディング実習 / 音楽編集 / 録音技術 / 音楽理論 / 音響工学 / リスニング / 舞台機構 / 照明技術 / 映像処理実習 / 職業指導

設備

学生ホール、レコーディングスタジオ、DTMルーム、音楽編集ルームを完備しています。
PA実習では配線のつなぎ方から始め、基本的な操作から野外や屋外でのセッティング方法など現場を想定して学びます。
照明学外授業では、外部のホールで学びます。舞台袖での照明器具の昇降や、舞台へ多方面から照明を当てる方法の演出など、実践力を学びます。
また、FMちゅーピー76.6MHzでは「広コンスタイル」という番組が放送されており、学内のレコーディングスタジオを使用し学生主体となって収録をしています。

オープンキャンパス・学園祭

通常のオープンキャンパスは4月から3月まで毎月開催されています。その中で、7月8月は特別版として、一つの分野のみのオープンキャンパスが開催されます。いつもと違った体験授業のプログラムが楽しめる上にイベントもあり、さらにはランチが付いていて交通費の補助も出るので、特別版に参加することをおすすめします。2018年はサウンド特別版が7月に開催され、体験授業だけでなく在校生が活躍するライブイベントも開催されました。

くらげの目から見た印象

音響技術中心の学校です。学校の特色として挙げられるのが、広島工業大学専門学校と同様にラジオ番組制作では生徒が制作した番組が実際のFM局で放送されているところです。ライブやコンサートの仕事に就きたいという学生には興味ないところかもしれませんが、舞台の仕事に就いてしまうと体験できないことなので、学生のうちに体験しておくのもいいかもしれません。
音響に関しては幅広いカリキュラムですが、舞台照明について学びたい方には物足りない印象を受けました。

学校の詳細

住所 〒733-0013 広島市西区横川新町7-12
電話番号 082-291-5050
サイト

学校サイト

岡山科学技術専門学校

岡山県岡山市に位置する専門学校で、情報システム学科、測量環境工学科、映像音響学科、電気工学科など9学科が全て職業専門課程に認定されています。また、授業内容は企業などとの連携によって最新の知識の習得、実践的な職業教育に特化しています。
講師陣は実際の現場で活躍する方が多く、プロの知識・技術を間近で感じながら学ぶことができる学校です。

舞台照明を学べるコース 映像音響学科
舞台音響を学べるコース 映像音響学科

カリキュラム

1年次
映像Ⅰ/検定対策Ⅰ/音響Ⅰ/要素試験対策/電気理論Ⅰ/舞台機構調整/照明Ⅰ/電気応用/ビジネス教養
2年次
CG/DTM/映像Ⅱ/音響Ⅱ/電気理論Ⅱ/検定対策Ⅱ/照明Ⅱ/電気応用/一般教養

舞台機構調整技能士

在学中に舞台機構調整技能士2級の取得を目標に、舞台や音響に関わる知識全般を身に付けます。

ビジネス著作権検定

この業界で働く上でなくてはならない知的財産の知識について、「ビジネス著作権」取得を目指しながら学んでいきます。

第二種電気工事士

それから音響・映像・照明の使用する上で欠かせない電気についても、電気工学科に属している電気のスペシャリストが指導しているため、高い取得率を誇ります。平成29年度の合格率は45.1%です。

設備

ももたろうホール

収容人数70名程度のホールで、照明・音響設備が完備しています。

オープンキャンパス・学園祭

オープンキャンパスは4月から翌年3月まで毎月開催しています。内容は体験入学、募集要項説明会、保護者説明会です。映像音響学科の体験入学は業界スタッフ体験で実際に機材に触れたり、模擬授業を受けて業界の資格について学ぶことができます。
学園祭は11月に開催されます。

くらげの目から見た印象

エンターテイメントに特化した学校と比べると地味な印象ですが、基礎をしっかりと学んでいくといった印象を受けました。その中でも、知的財産に関する「ビジネス著作権検定」電気の知識に関する第二種電気工事士免許の取得に向けて学ぶことができるというのは、他校にはない強みです。

学校の詳細

昭和町校舎

住所 〒700-0032 岡山市北区昭和町8-10
電話番号 086-255-7171
サイト

学校サイト

締めくくり

各校ともに、特色のある学校です。広島2校に関しては音響に関しては充実したカリキュラムですが、舞台照明や舞台監督について学びたいという方は、四国学院大学のほうがいいかもしれません。

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