音響反射板は一般的には反響板と呼ばれており、主にピアノやコーラスなどの生演奏での音響効果を出すために使用される舞台機構です。
舞台上には袖幕や一文字幕などの幕類が吊ってあるため、そのままの状態では布地が生音を吸収してしまいます。さらに、袖と舞台上部の開口部に音が抜けていってしまうため、客席へ響きのある音を届けることができません。
そこで、舞台上部と舞台側面に蓋をして音の吸収を妨げ、適切な残響効果とともに客席へ音を反射させるのが反響板です。
反響板の種類
反響板の種類には、ホール設備によっていろいろな方式があります。
主な方式は以下のとおりです。
変角式
通常は縦になった状態で舞台上部に収納されており、使用時は下降して角度を使用位置にセットします。
文京シビックホール大ホール
前吊後吊式
吊り物タイプの中ではこの方式が一番多いのではないでしょうか。
収納時には縦位置になっている天井反射板と舞台前にある重量バトンを下降し、天井反射板前面と重量バトンを連結します。そして、重量バトンを定位置まで上昇させて天井反射板を固定します。
相模女子大グリーンホール
走行式
芸術劇場などの大きなホールに多い方式です。舞台後部に格納されており、使用時は舞台床面に埋設されているレール上を前方へ走行させて設置します。天井反射板、側面反射板、正面反射板が一体になっており、天反、側反は設置時に拡張されます。
走行昇降式
格納時は舞台奥上部に設置されたレールで吊り上げており、使用時は下降後に舞台前方へ車輪を走らせて設置します。
まなみーる岩見沢市民会館大ホール
三精テクノロジーズ 音響反射板 機構アニメーション