万が一に備えて覚えておきたい消火栓と消火器の操作方法

屋内に設置されている消火栓は、その施設の自衛防災組織か施設利用者が使用する目的で設置されています。そのため、施設管理者は使用方法を熟知しておく必要があります。

消火栓の操作手順

  1. ホース延長線上にある障害物の有無を確認。散水栓は、火点直近で二つ以上を使用する。
  2. 消火栓箱の扉を開ける。開閉コックを開けると、消火ポンプが自動的に起動する。
  3. ノズルを右手で持つ。
  4. 開閉コックを右手で開ける。
  5. 火点を確認し、低い姿勢でノズルを腰に当て、ノズルコックを開ける。
  6. 放水開始。
  7. ノズルのホース接合部近くを右手で持って腰に当てる。左手で筒先の放水口近くを握って火点に向け、左足を一歩踏み出す。前向き体制で釜構え、煙に惑わされることなく注水する。
  8. 消火を確認し、ノズルコックを閉める。
  9. 注水が終わったら、水損防止のため速やかにコックを閉める。
  10. 放水終了。
  11. 散水栓箱に戻り、開閉コックを閉める。
  12. ホースとノズルを散水栓箱に収め、扉を閉める。

留意事項

  • 火炎が天井に届くようになったら、コックを閉めて避難する。
  • 火炎に退路を断たれないように注意する。
  • 深追いしない。

消火器の種類

消火器は、初期消火のための可搬式または半固定式の消火設備です。万が一火災が発生した際は、大火災を防ぐために消火器などでの初期消火が肝心です。

粉末消火器

特徴 重炭酸ナトリウムまたはリン酸アンモニウムを主成分とした消化剤を使用している。放射時に、畜圧ボンベを開封し、薬剤を放出する。
放射時間 約6〜7秒
放射距離 約3〜8m
適応火災 すべての火災
特徴 窒息効果、抑制効果により消火する。水のような浸透力がないので、再燃防止効果がある。

強化液消火器

特徴 アルカリ金属塩類などの濃厚な水溶液で、黄色のやや粘性のある消化液を使用。
放射時間 約30〜70秒
放射距離 約4〜16m
適応火災 すべての火災
特徴 水系で浸透力があるため、木材などの火災に有効。

消火器の操作手順

  1. まずは大声で「火事だ!!」と叫んで周囲に知らせる。
  2. 消火器を火元まで持っていく。
  3. 安全ピンを抜く。
  4. ノズルを火元に向ける。噴出力が強いので、しっかりと握っておく。
  5. レバーを強く握る。握力が弱い女性やお年寄りは、消火器を床に置いて上のレバーを押し付けるように握る。
  6. 燃焼物に直接放射する。火元からは、3mくらい離れて放射する。特に油火災の場合、近すぎると噴射の勢いで油が飛び散り、かえって火が大きくなったり自分にも油が飛び散ってやけどをするので、十分に注意する。

留意事項

  • 射程距離に近づき、手前から燃焼しているものに放射する。
  • 電気火災、油火災の場合は、必ず噴射ノズルを使用する。
  • 噴射ノズルを使用するときは、火面を覆うように手前から順次進んで消火する。
  • 人に向けて消火しない。
  • 風のある場合は、風上から放射する。
  • 薬剤の放出を中断しても加圧ガスが抜けるため、保存はできない。
  • 使用後、残留ガスが残っているときにそのまま蓋を開くと薬剤が飛散するおそれがあるため、容器を転倒し残留ガスのみを放出する。
  • 粉末消火器は、水のように浸透力がないため燃焼物の深部まで完全に消火できない。そのため最後は水で完全消火する。

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