卓オペレート時の必需品、あると便利なもの

照明・音響オペレーターの皆さんは、オペレート時にどんなものを使っているんだろう。
気になってオペレート時の必需品やあると便利なものなどをツイッターでアンケートを取ってみたところ、たくさんのお答えをいただきましたのでご紹介します。

書くもの

  • フリクションペン
  • デルマ(ダーマトグラフ)
  • 紙用マッキー
  • ホワイトボードマーカー
  • マッキー(細⇔極細)
  • ノック式ペン

フリクションペンは、ご存知こすると消えるペンです。すぐ消せて消しカスが出ないので卓の上でも使用できます。
単色だけでなく多色ペンもあるので、色を使い分けたい方は多色ペンをおすすめします。

デルマは、三菱鉛筆から出ているガラスやプラスチックなどに書ける紙巻き式の色鉛筆です。正式名称はダーマトグラフですが、デルマと呼ばれています。
赤や黒は調光卓の名称版に書き込むために、白はカラーフィルター(ゼラ)に色番号を書き込むために使用します。

黒や赤は調光室に備わっていることが多いのですが、台本やキューシートに書き込むこともできるので自分専用で持っている方もいらっしゃいます。12色あるので、自分の好きな色を持ってみてはいかがでしょうか。

紙用マッキーは、書いても裏写りしにくいマッキーです。両面印刷の台本に書き込んでも裏写りしないので、キューなどを書き込むのに重宝します。
仕込み図の書き込み用に使っている方も多くいらっしゃいます。

ボールペンやペンはノック式をおすすめします。薄暗い調整室でキャップを落としてしまったらまず簡単には見つけられません。
紙用ではないのですが、普通の油性マッキーにもノック式が出ています。

シール・テープ

  • カラーラベル
  • 極細のマスキングテープ
  • ぷっくりシール
  • 蓄光テープ

カラーラベルは誰もが必ず学校などで見たことがある色のついた丸いシールです。有名なところではマイタックがありますが、もっと安いセットを使うとお得です。
手で上げるフェーダーや色別の灯体のフェーダーに貼ったりしておけば、パっと見で判別することができます。

極細のマスキングテープは、各チャンネル(フェーダー)の切れ目に。例えば、1SUSと2SUSの切れ目に貼っておけば上げ間違いを防ぐことができます。

ぷっくりシールは立体的なシールで、絶対間違えてはいけないフェーダーやボタンに触感でわかる目印として使います。
例えば、殺陣などで舞台から片時も目を離せないときにサンプラーのGOボタンに貼っておけば誤操作を防ぐことができます。
また、かわいいキャラを貼っておけば癒やしにもなります。

蓄光テープは、その名の通り光を蓄えて発光するテープです。暗転中に手元明かりを消したときでも見えるように貼っておけば安心です。

ビニールテープ

ビニールテープは何か書いて貼っておいたり、スペシャル明かりや手上げで使用するプリセットフェーダーに貼ったりして使用します。また、目印などにも使えます。
色は白を使う方が多くいらっしゃいました。

他にも、黄色、灰色を使う方も。
また、10mm幅の細いビニールテープを使っていらっしゃる方もいました。細いのでフェーダーの区切りにも使えそうです。

手元明かり

客席でオペレートするときや、満足のいく手元明かりが常設されていない調整室やブースでは、使い慣れた手元明かりがあると安心です。
こういうクリップタイプで乾電池を使用する譜面灯が一般的に使用されています。

USBタイプはモバイルバッテリーが使用できるので、電池切れの心配がありません。

セリアの調光ライトは暗い状態でも安定しているのでおすすめです。

常備セット

  • バインダーケース
  • ドラフティングテープ
  • 付箋テープ
  • ライト
  • ゼラの切れ端何枚か
  • 変換プラグ
  • 単3電池

ご回答いただいたのは、音響さんです。基本セットをA4のバインダーケースに突っ込み、仕込み図や台本をバインダーに挟んで使用しています。
こうやってまとめられるものがあると、探し回ることがなくなるので安心です。

この中に、ドラフティングテープ、ペン類、付箋テープ、ライト、ゼラの切れ端何枚か、変換プラグ、単3電池を入れています。
ドラフティングテープは、製図版に用紙を固定したり、レタリングなどデザインやレイアウト作業中の仮止めに使用する低接着性のテープで、マスキングテープと同様に剥がしても糊が残りません。
フェーダーに機材の名称を書いたりして使用します。
付箋テープは、何色か用意しておいてマイクの色分けに使用します。
ゼラの切れ端は、手元明かりの明るさ調整に使用します。主にブルーを使用。

  • 文具系:ビニテ、マステ、マジック、ふせん、バインダー
  • 電気系:ストップウォッチ、手元明かり、iPad
  • 食料系:ペットボトルの飲み物
  • その他:黒い上着、手拭い、リップクリーム
  • 精神系:集中力とインカムの怒号にめげない心、とそれを維持するための癒し系グッズ

こちらは照明さん。調光室内はかなり乾燥します。リップクリームは必須です。
上着も、調整室は夏は冷房で冷えることが多いので必須です。

  • マスキングテープ
  • iPad+スタンド+apple pen
  • 複数のUSBメモリとビジュアライザーのdongleを入れてある缶ケース
  • インカム用ネックセット

こちらも照明さん。iPadを使う方はかなり増えましたね。
PC卓を使うときは、USBメモリとビジュアライザーのdongleは必須ですね。まとめて缶に入れておくとなくしません。
インカムにはネックセットというものがあります。インカムをしていないときはヘッドセットを首にかける方も多いと思いますが、その首にかけた状態ができるセットです。
耳に当てる部分がないので軽くてスッキリした形です。ワイヤレスインカムやトランシーバーに使用します。

  • ドラムイス
  • モニター拭き
  • 電気蚊取り
  • 扇風機
  • カーボンヒーター
  • 電気ケトル

野外現場での必需品たちです。すべて、快適に過ごすために欠かせないものばかりです。

  • フリクション
  • ノート
  • マステの類

こちらも照明さん。ダンスや芝居といった、催しの内容や、オペする場所が客席なのか調光室なのかによっても用意が異なりますが、内容に関係なく必ず持っていくものです。
シャーペンだと肝心なときに芯が折れたりするので、代わりにフリクションペンを使用。
書くものは、紙だとバラけて行方不明になるのでノートを使用。
そして、マスキングテープは書いて貼ったり目印にしたりといろいろ使えます。

タオル・手ぬぐい

本番中はかなり手汗をかくことが多いです。うっかり汗で滑って操作ミスを起こさないためにも、手ぬぐいやタオルがあるといいです。
ちなみにくらげはパンツやTシャツで拭いちゃいますけど。
ガーゼハンカチがあれば、メガネ拭きにも使えて便利です。
ガーゼは、洗えば洗うほど風合いが出てふわふわになるので精神安定剤にもなります。

メンタルと精神安定剤

失敗したときに立ち直るために、インカム越しに怒鳴られたとき、トラブルが発生したときなど、本番中に心の平和が乱されることはよく起こります。
怒鳴られたり失敗してももめげない心、折れない心、そして度胸は必須です。
でもそんなこと言ったってそんな簡単にいかないので、そんなときのために推しのストラップや、猫のもふもふ画像や猫柄の手拭いなどの癒やし系グッズ精神安定剤があると、心の乱れを抑えてくれます。
やっぱり猫は必須ですね。

食べ物と飲み物

調整室や小劇場のブース内はとても乾燥していて喉が乾くので、飲み物は必須です。
もちろん、卓の上に置いてはいけません。離しておくようにしましょう。
時間のないときはどうしても食事を摂る時間がなくなりますが、栄養を取らないと頭が働かずミスが起こりがちです。開場中や休憩中など、ちょっとでも口にできるように手が汚れなくて粉が出ない食べ物を用意しておきましょう。
こういうゼリー飲料が無難かなと思います。

ラムネは脳のガソリンになるブドウ糖でできています。脳に栄養を与えるために大粒のラムネもおすすめです。
今までの小さいボトルのラムネと比べて大きいので、清涼感が増した感じがします。

それから、眠気防止にフリスクも欠かせません。コンビニで小さいものを何回も買うと意外と高く付くので、ボトルで買ったほうが安いです。

個包装のチョコレートも必須です。疲れたときに食べると、心と頭が回復します。

飲み物はペットボトルがほとんどだと思いますが、温かい飲み物があると心が落ち着きます。
くらげは、家で保温ボトルにノンカフェインのお茶を入れてきて飲んでいます。ノンカフェインにしているのは、トイレが近くならないようにするためです。

ケータリングがあれば、コーヒーやお茶を入れて調整室やブースに持ち込むのもいいかもしれません。ただし、安定して置く場所があればですが。

クリップと磁石

クリップはヤザワのどっちもクリップ強力版という卓周りにうってつけのクリップがあります。フレキの両側にクリップが付いているので、卓の近くに固定して見やすい位置でセットリストや進行表を確認することができます。
また、手元明かりを固定して照らしたい場所を照らすこともできます。

磁石は卓にくっ付く場合は、同じようにセットリストや進行表を挟んで留めておいたり、コンビニの袋を挟んでゴミ袋にしたりといろいろと活用できます。
こういう外しやすい形にしておくと爪を痛めません。

iPad + Apple Pencil

お答えいただいた中にかなりの確率で入っていたのが、iPad + Apple Pencilでした。
iPad + Apple Pencilのメリット。

  • 手元明かりがなくても見える。
  • 好きな色で書き込めて、いくらでも消せる。
  • リハーサルのときに録画ができる。
  • ホームボタンをトリプルクリックで反転表示の設定もできる。
  • ペンタッチの読み取りが正確で速く、使用感が圧倒的に良い。
  • 大量の紙データを持ち歩かなくて済む。

メリットしかありません。と言いたいところですが、デメリットとしてはそれなりに価格が張るというところですね。
サイズは、できれば11インチか12.9インチの大きいサイズにしましょう。目が衰えてくると、10.5インチのiPadではA4の歌詞の字が見えなくなります。

Apple Pencilは絶対に第2世代をおすすめします。マグネットで付くというのがとにかく便利なんです。卓の表面にくっつけておけば転がる心配もありません。

台本やキューシート、セットリストをスキャンしてPDF化するか、写真に撮ってデータ化し、GoodNotesというアプリで取り込みます。GoodNotesを使うとApple Pencilで書き込みもできます。
PDFを取り込む際は、縦書き台本だと逆めくりになってしまうので、一旦逆順にPDF形式で印刷してから取り込むといいでしょう。

GoodNotes 5

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SurfaceGO + Surfaceペン + OneNote

こちらもタブレットですが、Windowsです。

Microsoft OneNote

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Microsoft Corporation無料posted withアプリーチ

SurfaceGO + OneNoteのメリット。

  • 下地のPDF(or写真)の外側にハミダシて書き込める。
  • 映像や音楽ファイルをアイコンで貼れる
  • OneNoteはクラウドにデータが自動バックアップされる

デメリットは、動作が重いことです。
OneNoteはios版もあるので、iPad + OneNoteという使い方もできます。

その他

  • 双眼鏡
  • ICレコーダー
  • カウントダウンできるタイマーかストップウォッチ
  • ストップウォッチ

双眼鏡は、大ホールなどの舞台から遠い調光室から舞台を見るためにあると便利です。

ICレコーダーは吹奏楽や和太鼓演奏会などのリハーサルで録音するためにあるといいでしょう。ICレコーダーはAmazonで探すと海外メーカーの安いものが大量に出てきますが、機能性を考えるとあまりおすすめはしません。でも割り切って使う分には構わないでしょう。

カウントダウンできるタイマーかストップウォッチは、休憩時間の計測や、何分後のキッカケなどの時にカウントダウンに使用します。
チラ見で残時間が分かるので、精神的負担の軽減になります。
ストップウォッチは、タイムできっかけを取るときに使用します。スマフォのアプリを使ってもいいでしょう。
こちらはシチズンのストップウォッチですが、カウントダウンタイマー機能も備わっています。

締めくくり

舞台スタッフの方々に聞いてみて感じたのは、操作ミスを防いだり快適に過ごすために、いろいろ持ち込んで工夫しているということです。
それはやっぱり、いろいろ経験したり試してみたりした結果なんだと思います。
逆に、「自分はこれがあれば十分だと思っていたけど、誰かが便利、快適だと思っているものを取り入れてみる」というのも、より快適な操作環境を作る手段になるのではないでしょうか。
くらげは、今まで大粒ラムネと目薬、リップ、フリクションペン、バインダー、小袋のお菓子が必需品でしたが、この他に手元明かり、ガーゼハンカチ、カラーラベルを取り入れてみようと思います。いずれはiPad Pro 12.9インチ + Apple Pencilも。
皆さまからいただいたツイートはすべてToggeterにまとめています。
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