過去最大規模の国際放送機器展【Inter BEE2017】

毎年、千葉の幕張メッセで開催されている国際放送機器展、Inter BEEが今年も11月15日から17日までの3日間開催されています。
この見本市は音と映像と通信機器をメインとしていますが、照明機器も若干展示されています。

今年は幕張メッセ国際展示場1ホールから8ホールまでの全館を使用し、「プロオーディオ部門」、「映像表現/プロライティング部門」、「映像制作/放送関連機材部門」、「ICT/クロスメディア部門」4部門で、イベントホールと国際会議場をあわせて過去最大規模での開催です。

では、さっそくくらげの独断と偏見によるInter BEEレポートをお送りいたします。

なにはともあれお昼ごはん


今回は、ロケ弁グランプリという2015年から始まり、Inter BEEの名物となったグルメイベントです。おいしいロケ弁を提供している店が一同に揃い、グランプリに選ばれるためにしのぎを削っています。

どれもおいしそうなお弁当ばかりで散々迷った結果、ちょっと奮発しちゃって浅草にあるサムライキッチンのローストビーフ丼850円を選びました。

手前の丸い器は玉ねぎをじっくり炒めて甘みを引き出したバター醤油ベースのオニオンソース、もう一つの丸い器はエビの塩辛をベースにピリッと辛いえびサンバルです。
ローストビーフ丼はもう一店舗ありましたが、野菜が入っていて彩りきれいだったこっちにしました。

ご飯が冷えてパサパサだったのが残念でしたが、オニオンソースとロストビーフはとてもおいしかったです。えびサンバルは野菜につけていただいたのですが、あとから辛味が襲ってきました。
冷えたご飯がマイナスポイントでしたがこの店に投票したかったものの、投票箱の場所がわからず投票できませんでした。

ヒビノライティング

ヒビノではAVOLIGHTSなどの照明メーカーや音響、映像機器を扱っている代理店です。つい最近まで、ヒビノは音響機材の会社だと思っていたのはここだけの話です。

こちらは、SAPPHIRE TOUCHというアリーナクラスで使用されるコンソールです。くらげには触る機会はなさそう。

フランスのRVE社製LEDピンスポットです。消費電力は300Wでクセノンピンスポットの750W相当の光量です。

このスポットライトの最大の特徴は、アイリスシャッターを閉めていくときれいな円のままフェイドアウトすることです。
クセノンピンスポットはかなりの発熱量になるため、熱を逃がすためにアイリスシャッターは完全な円のまま閉まりません。それが最大の難点でした。

ダウザーカッターはフェーダー式になっています。本来は灯体と平行の縦方向で設置されていますが、日本向けの仕様ではアイリスシャッターと同じ横方向になっています。ただ、アイリスシャッターとダウザーカッターを同時に操作するのはちょっとコツがいりそうです。

ヒビノの営業さんいわくあくまでもホテルや学校などの小規模施設向けとのことでした。ただ、光量はおそらく近いうちに1Kwも出るのではないかと予想しているため、ホールなどにも導入されることがあるかもしれません。

RIP-TIE


照明さんだけでなく音響さんにもおなじみのケーブルラップメーカー、リップタイです。

おなじみなのは、根元をインシュロックタイで固定しているケーブルラップです。このケーブルラップはインシュロックで固定しているため再利用ができない上にインシュロックの切断面が刺さることがあるのが欠点でした。
ところが、ようやく2年前にそういった欠点を補い改良した新型ケーブルラップが登場しました。

こちらがサンプルで貰った新型リップタイ。カード状のものはリップロックキーです。

装着方法は簡単。ケーブルに巻いてスロットに通すだけ。スロット内に特殊な形状の「歯」が付いていてロックするので外れません。

外すときには、リップロックキーを差し込んでケーブルストラップを引き抜けば簡単に外せる上に、再利用も可能です。

WONDER VISION TECHNO LABORATORY

こちらは、8K映像を使ったVRを開発しているベンチャー企業です。
この企業のメインは、半ドーム状のスクリーンに8K映像を映し出しモーションライドという椅子に座ってディスプレイを被らずに体感することができるVRマシン、「WV Sphere 5.2」です。

一台はレーシングマシンと「WV Sphere 5.2」を合体させたVRマシンで、モーションライドの前に設置されているレーシングカーと同じハンドルとブレーキ、アクセルを操り、迫力ある映像を前に実際のコースを走っているかのような体験をすることができます。
来場者が実際に操作することはできませんが、開発者の田村吾郎氏がひたすら運転している間近で映像を見ていると一緒に乗っているかのような錯覚を覚えるような迫力ある映像でした。

こちらは、サザンオールスターズの「東京VICTORY」が流れる中、東京の過去から現在、そしてオリンピックの開催される2020年に向けて時空の流れを体感するものです。こちらは来場者も体感することができます。くらげが見たときはちょうど終わったときで、ちゃんと見てはいませんが海外の方が楽しそうに鑑賞している姿がありました。

BRAX/セカンドステージ

こちらは、舞台音響、照明、映像を手がけている企業です。

こちらの展示で目を引いたのが、壁や扉、天井から床に至るまでLEDディスプレイで囲まれている四角い部屋です。この部屋のLEDディスプレイは、全て360°LEDディスプレイ「Air6.」が使用されています。

こちらが天井。

壁。

床。

このLEDディスプレイの見どころは、何と言っても重さ5kg薄さ50mmの超軽量超薄型化ということです。ディスプレイパネルはカーボンフレームを使用しているためシースルーの薄型になっていて、ディスプレイ同士の連結は専用金具を使用しているため仮設現場でもすばやく設置することが可能です。

背面には液晶ディスプレイがあり、信号や温度などを確認することができます。

締めくくり

今年は2018年12月の4K・8K実用放送開始に向けた放送業界の4K、8Kに関する技術が多く見られました。正直なところ、4K、8Kともに登場時の感動はありませんが、それでも実用化に向けて着々と進んでいるように感じました。
かたや照明に関しては映像照明の展示は若干ありましたが、舞台照明技術の展示はヒビノライティングくらいしかなく、今まで以上に寂しかったです。

これから先、映像技術、Web技術、舞台技術の境目はどんどんなくなっていくような気がしています。どうしても照明メインで見てしまうのですが、もっと幅広い視野で技術に関する情報を仕入れていければと感じた今回のInter BEEでした。

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