フリーランスになり、そろそろ本気でムービングライトの操作も覚えなければということで、タマテックラボ主催のgrandMA2の講習を受けることにしました。
grandMA2はMA Lighting社が出しているライティングコンソールで、 grandMA 2 on PCというソフトウェアをPCにダウンロードすることによりPC上でプログラミングすることができます。また、MA 3Dという3Dシュミレーターもダウンロードして連動させることにより、PC上で実際に明かりを照射して確認することができるのです。
なんて、さも知っている風に説明していますが、最初のうちはナンノコッチャでした。
grandMA2 command Wing自体は、今年春に行った仕込み現場で触ったことがあるのです。ただ、シュートのときに器具をタッチパネルで選択してホイールで点灯と消灯していたくらいなので、操作方法はほぼわかりません。ただ、つや消しブラックにオレンジのさりげない印字が映えるデザインのかっこいい卓だなと言う印象でした。
まさか、それが数カ月後に講習受けることになるとは夢にも思っていなかったのです。
講習会場は、品川のスクエア荏原の多目的ホールで行います。講習の前に事前に2つのソフトウェアをダンロードしてから講習に臨みます。
第一日目
ソフトウェアはWindows版のみ
くらげは事前にMac Book Air13inchにダウンロードしておきました。ファイルを開いてみたところ、どれを開けばいいのかわかりませんでしたが、おそらく初心者コースならファイルを開くところから始めるだろうと楽観的に考えていました。
ところが。
会場に着いてみると、ほとんどの人がMA2のコントロールパネルを開いているではありませんか。なんでだろうと思いながら、講習が始まりました。講習が始まってから、いきなりコントロールパネルの説明から入り戸惑うくらげ。
え・・・?どれ開けば、この画面出て来るの?
さっそく躓いたくらげは、近くのスタッフの方に聞いてみました。
くらげ「あの、ダウンロードしてあるんですが、どれを開けばあの画面が出てくるんですか?」
スタッフ「ダウンロードすれば、自動的にインストールされるはずなんですが」
くらげ「インストールされなかったです」
スタッフ「MacでもブートキャンプでWindowsインストールされていればソフトもダウンロードされるはずです」
・・・・・ええ!?Windows!!!!?????( ゚ Д ゚!)
ここで初めて、grandMA2 on PCはWindows専用ソフトだと知ったくらげ。持っていったMac Book Airはここでは役に立たないシロモノとなりました。しかし、幸い主催のタマテックラボで予備のPCを持っていたため借りることができました。
なかなか付いていけない
インストールできない問題もあり、ただでさえ遅れているのに講師の方は早いしゃべりでどんどん進んでいってしまうため、さらに周りより遅れを取っていってしまっています。そのたびに、スタッフの方を呼んではもう一度説明してもらうことに。
調光卓とはいえ、今まで触ってきた調光卓とは概念や機能が根本的に違います。さらに英語で用語も全く違うため、さっぱり理解できないのです。
ここでは、今まで培ってきた日本の調光卓の知識なんてまったく役に立たないのさ。
そんでもって、借りたPCはタッチパッドの反応が非常に悪く、さらにPCもスペックのせいか思うように動いてくれません。MacBook Airで操作するつもりだったから、マウスなんて持ってきていません。どうりで、周り見渡すとほぼ全員の人がマウス持っているわけだ。
午前中は、基本的な操作を中心にやっていく作業でした。
多少時間は押して、12時過ぎに午前の部は終了。
午後は説明の仕方が変わる
午後の内容は、機材を制御する方法です。すでに眠いです。
午前中は、インストラクターの方が説明しながら一緒に操作していくという方法でしたが、午後になっていきなり変更されていました。
インストラクターの方の操作を見ていると、説明後に「では、同じようにやってみてください」
ええ?一緒にやると思っていたから、どんどん右から左へ流れていったんですけど。最初の説明でしっかり聞いて覚えていないとそのあとの操作がぜんぜんできないので、記憶力の悪いくらげにとっては不利でしかありません。
仕方ないので、またスタッフの方を呼んで一から説明してもらうことに。もう、スタッフのお姉様がくらげに救いの手を差し伸べてくれる女神に見えます。
おかげで少しづつ形になっていって、実際に3Dの画面でスポットが点灯して動いたりゴボが変わったり、色が変わったりするのは感動モノですね。ムービングライトの操作なんてくらげにはできないし、ずっと縁がないものと思っていましたから。
最後は、実際にCueを作って動かします。
灯体はMac Viper、LED、Dimmerの3種類。Macは、ポジションとカラー、ゴボ、LEDはカラー、Dimmerはゲージをそれぞれ設定しながらタイムを入れていきます。
ポジションが一つ作れていなかったものの、何とか入れ終えて実際に動かしてみると、やっぱり感動もひとしおです。しかし、できたのは2つの例題のうち1つ目だけとなりました。
そして、時間が来たので今日の講習は終了です。
ですが、できていないところがあるので、当然お残り。他にも、お残りしている方がちらほらいます。何度かスタッフの方に聞いてみたものの、まだできていないところがあってうんうん悩んでいると、知り合いの照明さんがやってきました。この方とはTwitterで知り合い、今日初めてお会いしました。
ていねいにわかりやすく、くらげが躓いているとこを教えてくれたため、やっと2つ目の例題をクリアすることができました。
やっぱり、マンツーマンのほうが理解しやすいな。
3つ目は明日早く来てやることにします。
2日目
そして、明けて2日目。早く来てやるとかいいながら、けっきょく早く来れませんでした。
しかし!今日はマウスを持ってきています!!
Windowsのノートパソコンはタッチパッドが使いにくくて、マウスがないと使い物になりません。そこで、いつも家で使っているLogicoolのマウスを持ってきました。おかげで、昨日とは打って変わって動作は絶好調。
おまけに、昨日スタッフだった女性の方が今日は講師で、非常にわかりやすい説明なので遅れることなくついていけます。
今日は、まず昨日のおさらいから始まり、そして画面のレイアウトやCueの編集、エフェクトの掛け方などを学んでいきます。
画面については、なにせ設定の多いムービングライトのこと、いろんな画面がいっぱいあるので、自分なりに設定を保存しておくことができるのです。
最初のうちは、ナンノコッチャですが、きっと慣れれば便利な機能だと思われます。
それと、機材の配置も2Dで仕込み図みたいな感じで見ることができます。CADやベクター系ソフトのようにテキストを挿入したり、マウスで選択したり移動することも可能ですが、タッチパネル対応PCであれば、画面上でタッチして選択することもできます。これは一般照明用の卓にもあったら便利なのに。
Effectとstomp
ムービングライトは、動いていろんなゴボネタと色を出すことができるだけで十分Effectな感じですが、さらにEffectという機能があるのです。Effectとは、動きながら色やネタを変えたり、点灯のパターンを変化させることを指します。
このEffectにはパターンが予めgrand MA2内にあって、それを呼び出してpool(その機能を引っ張ってきたり記憶してすぐに取り出せるようにしておくこと。パソコンで言うとデスクトップにファイル置いておくみたいな感じ)しておくことができます。
このEffectを動かして停止するには、Stompというキー操作が必要になってきます。このStompというのが、よくわからないんだけどいろいろな場面で使われるらしいです。
解けきれない例題
最後は、今までのおさらいとして例題が5つ出されました。例題2までは何とかできたものの、例題3からはもうさっぱり。
スタッフの方に聞いて、例題3は何とかできたものの、例題4以降は諦めました。すでに脳みそが拒否しています。なので、後日、Win環境を整えたら家で復讐します。勉強した内容を覚えていたらね。
締めくくり
以上で、くらげの脳みそをフル回転させても付いていけなかったgrandMA2トレーニングは終了です。
思った以上にハードな勉強会でした。
最初の方で描いたとおり、Macでは使えません。あらかじめ有料のParallelsやVMware FusionかAppleで提供している無料のBootCampで仮想環境を構築してWindowsをインストールしておいてください。また、タッチパッドが優秀なMacでもWindows側での操作するとタッチパッドの反応が著しく低下するので、マウスは必須です。
なお、この勉強会は定期的に年2回、東京と大阪で開催されています。詳細や開催日についてはタマテックラボのサイトでご確認ください。